レコーディングクオリティ

スタジオでレコーディングをしよう!

studio21 ドラムセット
ギター

レコーディングをする時、スタジオでの録音は敷居が高いし...と、誰でも簡単に自宅で録音『宅録』が当たり前になってきました。
「宅録」といえば、一昔前まではノイズの多いカセットテープに多重録音から、90年代後半にはハードタイプの単体レコーダーによるコンパクト化、そしてここ10年くらいは急激なPCの性能アップ・低コスト化により、音楽を作る人にとって、「ハードルが高い」イメージから「手が届きやすい」存在に変わってきたと思います。
いまのPCには最初から音楽制作用のソフトがついてきたり、無償のソフトも増えてきて、「かっこいい曲を作りたい」と急に思い立った中学生でも、プロとほぼ同じ非常に使いやすい「ツール」を最初から使うことができます。
また、自主制作によるCDの制作、販売に関する環境も、プレス料金の低コスト化などによりアマチュアミュージシャンにとっても非常に手が届きやすくなっています。

そう、様々な要因により、「プロ」と「アマチュア」の
環境的な境はなくなりつつあるのです。

そうなると「やりたいことが宅録で済むのであれば、わざわざ高いお金を払ってレコーディングスタジオを使う必要はないじゃないか」と思われてしまいますが、宅録とスタジオレコーディングの違いを知って頂き、スタジオレコーディングで質の高い作品をつくっていただきたいと思います!

1. 空間の響き

レコーディングにおいて、歌声や楽器音そのものをきれいに録ることはもちろんなのですが、その音源が置かれている「空間の空気」をしっかり録ることが非常に大事なことのひとつなんです。

音はいうまでもなく空気の振動です。

その場の空気の温度、湿度、種類などさまざまな要因により、音の響き方はデリケートに変化します。

イギリスは湿度が高いからその独特な「曇り具合」があるとか、ロサンゼルスは非常に乾燥しているから乾いた音になるとか。

また、人間の耳は音の残響(リバーブ感)の響き方で、空間を認識します。
具体的に言えば残響がある音は遠くにあるように感じ、逆に残響がないと近くにあるようにとらえます。

あとから機械的にリバーブを足すことで空間を調整するのはもちろんなのですが、例えば歌声がマイクにのるまでのわずかなポイントでしか「自然」な空気感はつけられません。

つまり、音像を決定する重要なファクターは「空気の響き」なのです。

宅録の場合

自宅の録音環境では生活音や騒音や電源等からくる「ノイズ」との戦いになります。
個人的にはそういう「ノイズ」もある意味その環境での音なので、それを突き詰めれば作品としてアリだとは思いますが、意図的ではない音楽的ではない環境ノイズがCDに入っている時点で「素人」くささを感じてしまう方も少なくないはずです。
細心の注意を払わないと、その「ノイズ」との戦いに目がいきがちで、肝心の「空気の響き」をとらえる優先度が下がり、高価なマイクを使おうが、強引にリバーブを足してとりあえずのゴージャス感は出るものの、味気ない音になりがちです。

スタジオの場合

設計の段階で電源ノイズや外からの騒音の対策をしてあります。
その上で、目指す「音像」に合わせ、マイクの種類、距離、角度など様々な方法で空間の響き方を録音の段階でコントロールすることができます。
またスタジオ21での部屋の空間の響き方に関しては、可動式の吸音材「フェルトーン」によってライブな響きからデッドな響きまでコントロールすることができます。

サンプル:エレキギター

演奏:黒田 晃年

使用ギター:Fender Stratocaster 77'  アンプ:Fender TwinReverb マイクプリアンプ:Millennia HV-3D
アンプに複数マイクを立てそれぞれHAに入力、同時収録しています。EQ、コンプとも使用していません。

アンプエレキギター

ex.1 SM57 オンマイク

ギターレコーディングの大定番である、ダイナミックマイクShure SM57をキャビネットスピーカーから1cmほどの”オンマイク”の状態で録っています。
適度な「粗さ」もあり、「エレキギターといえば?」まずイメージしやすい音だと思います。

ex.2 SE2200a オンマイク

スタジオ21常設のコンデンサーマイク,SE electronics SE2200aをオンマイクで置いています。
コンデンサーマイクならでは中域から高域の伸びの綺麗さがよく再現できています。

ex.3 MD421 オンマイク

こちらもダイナミックマイク系では定番のSennheiser MD421のオンマイクです。ドラムのタムにもよく使われますが、少しアタックが抑えられ低音の豊かさがあります。

ex.4 SM57 オフマイク

SM57をスピーカーから10cmほど離してオフマイクで置いてます。
低音のふくらみがなくなり、アタック感と部屋鳴りが強調されています。

ex.5 SE2200a オフマイク

SE2200aを1.5mほど離してオフマイクで置いています。
直接音とともに部屋鳴りの残響が混ざることで、スタジオの大きさが分かると思います。

ex.6 e901 キャビネット内部

ドラムのキックの録音によく使われるSennheiser e901というバウンダリー型のマイクを、キャビネット内部に入れて録音しています。

ex.7 メイン:SE2200a オンマイク e901とSM57オフマイクをミックス

収録後、さまざまなマイクの組み合わせ、バランスを試した結果、演奏者が「その場で弾いている音に一番近い音」として選びました。
中、高音域が豊かなSE2200aのオンマイクをメインに、e901で立体感を加え、SM57のオフマイクをほんの少しだけ混ぜることで部屋鳴りと、弦を弾くアタック感も出しています。

サンプル:アコースティックギター

演奏:黒田 晃年

使用ギター:Martin D-28(83’) マイクプリアンプ:Millennia HV-3D
ギターに対して複数マイクを立てそれぞれHAに入力、同時収録しています。EQ、コンプとも使用していません。

アコースティックギターアコースティックギター

ex.8 Body:SM57
ex.9 Neck:SM57
ex.10 Body:SM57、Neck:SM57 ミックス

Shure SM57をボディ側、ネック側それぞれオンマイクで置いています。
ライブハウスでは、ピックアップ出力がないアコギにはSM57を、ホールをはずしてボディ側にだけ立てることが多いですね。
低音の鳴りがきちんと拾えていると思います。
ex.10はボディ側、ネック側をミックスし、それぞれほんの少しだけ左右にパンニングしています。
こうすることで弾いている状態をそのまま聴いているような立体感が出てきます。



ex.11 Body:SR20
ex.12 Neck:SR20
ex.13 Body:SR20、Neck:SR20 ミックス

Earthworks SR20をボディ側、ネック側それぞれオンマイクで置いています。
高域の集音特性が非常に優れているので、Martin特有の「キラキラ」としたゴージャスな倍音がきちんと捉えられています。
ボディ側、ネック側をミックスしたex.13ではさらに空間の広がりがでます。



ex.14 Bottom:SE2200a

50cmほど離れた位置に、下からギターの中央に向かってSE2200aを置いています。
低音もくっきりでて、一つの塊のように捉えることができます。

ex.15 Top:SE2200a

50cmほど離れた位置でSE2200aを置き、マイクスタンドを高くし上からギターの中央に向かって狙っています。
部屋の鳴りもしっかり捉えられ、かつ低音から高音までバランスよく収録できます。
個人的には、オケのなかにアコギがある曲では、他の楽器が鳴っていても空気感や存在感をだしやすく埋もれにくい音になるので、ファーストチョイスのセッティングです。

ex.16 メイン Top:SE2200a Bottom:SE2200a Body:SR20、Neck:SR20をミックス

他に楽器のない”ソロギター”として考えるとトップマイクだけだと少し物足りなさもあるので、トップをメインにボトムのSE2200aで低音をはっきりさせ、両サイドにSR20を足すことで広がりも出しています。

2. 機材

PCなどの機材的な差がほとんどなくなったとはいえ、「プロ仕様」の機材には勝てない部分もたくさんあります。

特に顕著なのはアナログ音声信号をデジタル信号に変換する「A/Dコンバーター」の質です。
分かりやすくざっくり言えば、音をデータ化する機械ですね。これによりPC等で音声を扱うことが可能になります。

このA/Dコンバーターの音質は、ある程度パーツの価格により左右されてしまう面がありますので、廉価なオーディオインターフェースでは技術的に差が出てきてしまうことが多いです。

ぱっと聴いて分かりにくい部分ではあるのですが、録音した音にプラグインエフェクトをかける時の精度や、最終的な音の混ざり具合や存在感に影響してきます。

また、一般的なオーディオインターフェースには、マイク用のプリアンプは廉価な機種でも一体になっているタイプが多いかと思います。
宅録環境では、ここに直接マイクを挿して使うことが多いと思いますが、特に歌などはダイナミクスレンジ(音量差)が激しいため、声を張るところにプリアンプのゲインを合わせると、弱いところは本当に小さい音でしか録音できなくなりますし、逆に突発的に強いところがあると音が歪んでしまったり。
ここでの「歪み」はA/D変換する際の歪みになります。デジタル信号は容量が決まっているため、数値化できなかった信号はすべて音楽的ではない「デジタルノイズ」となり、不快な音が発生します。

とにかく「安定」した音を録るのは至難の業です。

ここではコンプレッサーを使います。
略してコンプ、その名の通り音を圧縮する機械です。
音量的に強いところを押さえる(つぶす)ことで、音量を平均的にすることで、結果的に入力できる信号の大きさを大きくします。

また単に音を圧縮するだけではなく、つぶすことにより独特の倍音感を付加できます。
音の入れ方や組み合わせで、音のキャラクターや距離感、グルーブ感もコントロールすることができます。

サンプル

ex.17 ex.7にUNIVERSAL AUDIO 1176をかけています。

アタック、リリースともに早め、レシオは8です。
アタックが若干抑えられ、サスティンが持ち上げられているため、コードがより塊として聴こえると思います。

ex.18 ex.7にEMPIRICAL LABS Distressor EL-8をかけています。

アタック、リリースともに早め、レシオは6、またディストーションスイッチで2次倍音を付加、ハイパスフィルターもONになっています。
コンプ感とともに、ディストーションスイッチによる倍音が足され、より分厚く聴こえます。オケに入っても埋もれにくくなります。

レコーディングについてのほんの一部分を紹介しましたが、音楽を作るというクリエイティブな部分においては「選択肢があること」と「最終的に機械を使うのは人間であること=テクニックが必要である」がとても大切なことだと考えます。

求める音楽をつくるために、空間や楽器、機材について、できるだけ多くの音質の選択肢を提供できるのがSTUDIO21のレコーディングなのです!
是非、STUDIO21で確かなクオリティのレコーディングをしてみませんか?

黒田 晃年 Akitoshi Kuroda

biography

北海道/札幌から世界のギタリストを目指して上京。
多くの出会いがある中、26歳で佐藤竹善(SINGLIKE TALKING)のレコーディング&ツアーに大抜擢。
その後数々のセッション、レコーディング、ツアーに参加し実力派若手ギタリストして業界内でも話題に。
2010年 初のリーダーアルバム「Inside Out」をReal Blue Labelよりリリースし、翌年にはiRB LabelよりiTunes Storeから全世界111カ国同時配信リリース。
2012年 ロサンゼルスにて、日本を代表するボーカロイド“初音ミク”バンドのギタリストとして参加。LA最大の劇場”NOKIA Theater”で大成功を収める。
さらなる飛躍を目指し、世界的に有名なナッシュビルのギターの祭典CAAS(Chet Atkins appreciate society)に参加、若き天才ギタリストJoe Robinsonと出会う。その後ニューヨークに渡り更なる評価を受ける。
2013年 オーストラリアのギターメーカー【Maton】が主催するイベント“Maton Guitars Acoustic Day”に参加 Joe Robinsonと共演。
いまや、世界中を駆け巡る日本を代表するホットなギタリスト、いやアーティストである。

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band-master

  • HAYABUSA、KUMAMI
  • 熊木杏里
  • 武川アイ
  • 永崎翔
  • YU-A
  • 指田郁也

arrange

  • KATEKYO HITMAN REBORN SONNG“BLUE”~rivale~ M6“ PARADE”
  • 熊木杏里 6th Album“ はなよりほかに” M11“ バイバイ”
  • 川口千里 1st Album『A LA MODE』 M8“ Spanish Pirates”
  • 安田奈央 1st Album『kotoba』 M7“ voice in the dark

DVD

  • 佐藤竹善:『Big Time』 Okra Tour 2005-2006
  • w-inds.:『Live Tour 2008“Seventh Ave.”』
  • 奥 華子:『はじめてバンドで歌います!』
  • 初音ミク:『ミクの日感謝祭~こんばんは初音ミクです~』
  • 初音ミク:『MIKUNOPOLIS in LOS ANGELES』
  • YUI:『HOTEL HOLIDAYS IN THE SUN』
  • YUI:『Cruising~HOW CRAZY YOUR LOVE~』
  • YU-A :『 DREAM LIVE TOUR PERFORMANCE 2012 AT SHIBUYA-AX 10.5』

solo

  • 2010年6月 1st solo Album『inside out』を発表
  • 2011年7月 1st solo Album『inside out』世界デジタル配信開始

magazine

  • Guitar magazine 別冊「エレクトリック・ギター・カスタマイズ倶楽部」 だれでもできる、チューンナップの実例&アイデア集
  • Guitar magazine 2008年7月号 セッション・ギタリスト最前線2008
  • Guitar magazine 2008年12月号 BOSSレジェンドシリーズで濃厚サウンドメイキング
  • Guitar magazine 2011年4月号 プロのペダルボー道~
  • Sound & Recording Magazine 2012月6月号 CD-ROM連動企画 Apolloで録る。Apolloで落とす。